2014/08/30

更年期ヨガ

先日は大阪で開いてきた「エイジングケア・ヨガ」。

シニアの前に、まずは更年期でしょ。人を教える前に、まずは自分でしょ。ずっとヨガやアレコレやってきたのに、この予想外の変化はどーなのよ、いや予想はしてたけど、実際にこうくるわけ? あちゃ、くやしい、きついなー、なさけないなー、みたいな。

講座の中で、「更年期は期間限定」と何回か繰り返した。

しかし、これがまた期間限定だとしても、その数年の間にさらに変化が起こる。

3-4年前、「更年期を逆に楽しんじゃえ」「閉経してからがホントの女」とアホみたいに豪語してた。実際、かなり毎日を楽しんで、身繕いに対して努力もできてた。けれど、それはたとえば、モテたいとか、気に入られたいとか、若いと言われたいとか、他人からの視線ばかり気にしての努力。もちろん、そのスケベ心が自分を保つ原動力にもなっていた。

ところが、その1-2年後に、発汗、過活膀胱、鬱、パニック、不眠と、心底まいる症状が次々と襲来。友人が「長年ずっと締めてきたから。今はゆるめてあげる時期なんだよ。お腹も骨盤もゆる~りとお休みさせてあげたらいいよ」とアドバイスしてくれた。そして、そのアドバイスに従ったら….、ゆるんだ、たるんだ、太った。でも、あまりにツラかったし、ゆるめると楽になったから。もういいや!と開き直っていた。

それがこの春過ぎから、めきめきグングン回復している。出来そうもない事でも、若かった頃みたいに努力して練習して、出来るようになりたいと思えてきた。少し頑張りたい。もう一度、自己評価をあげてみたい。まだまだ自分もイケてるんだと思えるようになりたい。復活してきた。人の目じゃない。自分が納得できる自分でありたいと思えるようになってきた。

また来年、再来年は変わるかもしれない。

こんな風に、ひとりの中でも心身のコンディションが変化していく。「更年期」と一括りにすることは難しい。

ベビー、キッズ、マタニティ、更年期、シニア。対象を特化したヨガが、メディカルな情報に傾くのがよく分かる。安全面など知っておくべき事柄はもちろんだが、とりあえず、そちらの概論が必要なんだろう。最大公約数的な症状や変化・傾向。広く一般に通用する某か。それをベースとしておさえておいて、その上で、個々のケースに対応していくしかない。

問題は、いわゆる更年期ヨガを教える側も、教えられる側も、そうしたベース(主にメディカルな情報)を抑えておけば、それで大半はOKと思いがちなこと。いやいや、その先でしょう。そこから、どんなヨガをどう教えるのか。そう、一応、あくまでヨガなのだ。その場へ来る人たちは、「ヨガ」を受けるためにやってくる。治療やカウンセリングを受けにくるわけじゃない。相手のリクエストに応えるべきであろう。「大丈夫ですよ〜」と特別扱いで甘やかすばかりじゃ何かがおかしい、何かが足りないような気がしてならない。ただ相手に合わすのではなく、今の相手の状態を判断して寄り添いつつ、少し上の目標を設定して、励ましたり、やり方のオプションを紹介したり、目標設定を変えたりと、共に歩みながら適切な判断をする。「大丈夫ですよ」の一点張りだと、そういう指導者としての作業をサボっていても気づかないままになる。(もちろん、外にも出られないほど苦しんでいる人に対しては別だ。それに対しては別の方法を取るべき。)私が捉えている「更年期ヨガ」は、ヨガ。たまたま、対象は更年期。だからこっちは、コッソリしっかり更年期について勉強はしておく。しかし、やるのはヨガ。文字通り、更年期の人が対象の「ヨガ」。伝統に縛られることなく、プロとして悩みながら楽しみながら、クリエイティブにプログラムを作って提供するヨガ。そういうことだ。





No comments: