2016/04/13

今日のペコ

古い家の急な階段を昇ってきてくれた夜明け。
降りるのが私でも怖い階段。

仔猫時代、手の平サイズのペコは実に不細工でお転婆だった。
どこにでもニャーニャー入っていった。
入って出られない。登って降りれない。
危ない隙間へ顔を突っ込む。
私は乱暴に掴んで、きつく叱っていた。
そのたび、不細工な顔でニャーと鳴いていた。

今の老いたペコは宝物だ。
本当に気高い宝に触るように触れている。

兄妹猫のポコが、水便の一滴まで流しきって、のべ3週間にも及ぶ絶食で身を浄めるようにして逝った時、神様に近づいていると思った。

ペコもペコのやり方でこれから神様に近づいていくのだ。

二階へ 上がってきてくれてありがとう。
添い寝してくれてありがとう。
隣へ入ってくれてありがとう。
居てくれてありがとう。

ペコを撫でる。鼓動を感じる。
皮膚を貫き、血肉を感じる。骨に触る。心臓を感じる。
命に触れる。命を撫でる。
 
生きている。幸せだ。 





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